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AgingJapan一年を迎えて 齋藤茂樹

AGING JAPANの活動を始めてちょうど1年経ちました。
私がAGINGのビジネスエリアに関心を持ったのは、10数年に及ぶベンチャーキャピタル事業の活動を通じて日本独自のグローバル・マーケットに通じるイノベーション・エコシステムに考えるという問題意識からスタートしています。現在のグローバルなボーダーレスの時代においては、アメリカの成功したビジネスモデルをコピーして日本市場をターゲットにするアプローチではグローバル展開するようなビジネスはつくりにくく、日本独自のイノベーションエリアをターゲットし、日本をPOC(プルーフ・オブ・コンセプト)マーケットとしてプロダクトの実験をし、さらに世界中からのテクノロジーやビジネスシステム、サービスを日本でトライしてみてから、世界に展開していく仕組みをつくることが日本の競争力にとって重要であると考えております。
日本は、世界で老人人口が最も比率の高いマーケットになっています。ただし、お年寄りは自分で購買する判断力をなくしていくので、お年寄りがどういった居住環境で受け入れていくのがを掘り上げ、そこに世界から集められたソリューション、例えば、VRの認知予防プログラムや、脚力をキープする再生医療などを日本でトライし、やがて世界に広まっていくそういったイノベーション・エコシステムのイメージを描いて、この分野への関わりを進めてまいりました。
AGINGというキーワードに問題意識を持ち始めると同時に、両親が認知症になったり、お大きな手術をしたりと自立が難しくなっていきました。私の場合は、両親が次々と倒れてしまい、介護施設を探すことになり、結果、ベネッセのメディカルケアハウスで既に3年お世話になっています。
五木寛之さんは人生100年時代のスイッチングを最もうまくなされている方だと思って、いくつかの近年の著書を読ませていただいております。彼は人生を春夏秋冬と捉えると、人生100年時代には50歳から75歳が秋であり、それは人生の最も味わい深い最盛期であり『白秋期』という呼び方をしています。五木さんは、50歳を過ぎたときに人生のペースを変え、一旦、著述を控えて大学にいって仏教を学びにいったり、ある出版社の仕事で3年かけて全国のお寺を回る写真集の仕事をしたり、自分の体を慈しむことを趣味のようにしたりして4時間かけてお風呂で小説1冊を読んだりしているそうです。
私が最近思うのでは、私の父が私くらいの時には、時代はまだ人生75歳時代くらいで、父が働き盛りの45歳くらいの時に父を78歳で癌で亡くし、その時の私は高校1年生でした。医学の進化でしょうか、父は自分の父と同じ歳に癌になりながら完治し、その後、81歳で心臓弁の大手術を乗り越えて現在87歳です。今の時代は、人にもよるのでしょうが、私の場合は、子供が自立したところにちょうど、親をケアすべきタイミングが訪れ、現在は毎週末ホームにいって、近くのお蕎麦屋で仕事や世の中の話、さらに孫の話をするの私と父親の一番の楽しみになっています。
私の父は仕事が一番好きな人生で、そういう人は、体を動かす気持ちが滞りがちで、散歩も怠りだし、だんだん脚力が弱くなり、もう俺も人生終わりだからと弱気になってきたりしています。同じ年のクリント・イーストウッドの新しい映画の話をしてもあまり刺激にはなってくれないようです。そこで、『何かうつ手は。。』と生き甲斐論の本など読んでみると、人の生き甲斐は、『やりがいの生き甲斐』とともに、美味しいものを食べる、自然を感じるなどの『単純な喜びを感じる生き甲斐』も大変重要なようです。私も今では、単純に、なるべく美味しいものを食べに連れて行き、会いに相手をしてくださる方を連れていって話を楽しむということを一番に父との時間を楽しんでいます。
親が衰えていくのは寂しいことですが、『人生誰でも死がある』ということで考えると、人間最後は寝たきりや、痴呆症、痛みなどボロボロになることを覚悟して生きなければいけないのかなと思ったりします。 子供としてできることは、最後の時間をなるべく平穏にゆったりとして過ごしてあげることなのかと考えています。
こういった親との関わりを落ちながら、自分の30年後を考えてAGINGを見つめれ考えるということ、そして自分の体の管理、ライフスタイルをどうするか、コミュニティーとしてどう社会的につくっていくかなど、まさに人生の白秋期の50歳から75歳の人たちが、AGINGアーリーアダプターとして考えるのがAGINGに向き合うということなのかと思うようになっています。
AGING JAPANの活動もまだ確固たる指針があるわけではありません。医師の視点、介護士の視点、国の視点、自分の視点、親の視点、海外の異なる視点などを織り交ぜながらあるべきAGING社会のあり方を考えながら、皆さんで一緒にいい年を取れるような活動にできればと思っています。今後の活動とともによろしくお願い致します。

齋藤 茂樹

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